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事故事例情報

米国化学事故調査委員会CSBの報告書に基づく事故事例集

米国化学事故調査委員会 CSB:Chemical Safety and Hazard Investigation Board
1998年1月、化学施設で事故調査を目的とする米国政府機関が設立されました。事故調査の結果に対し事故防止に繋がる勧告を、事故発生施設、米国労働安全衛生局OSHA、米国環境保護庁EPA、産業組織、労働関係団体などに行う機関です。事故調査チームが従業員、管理者、周辺住民、目撃者にインタビューして情報収集し、関係する化学品、機器の分析を専門機関に依頼し事故原因を調べます。
さらに、工場の安全活動記録、操作手順書などにより事故経緯を詳細に調べ、6〜12か月をかけて報告書を作成、1998年からの事故調査報告書約50報をインターネットで公開しています。

以下、事故事例について簡単な概要を示します。

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日時 地名 物質名 原因 概要 詳細
2009年6月9日 Garner, North Carolina州 天然ガス 可燃性ガスの漏えい ConAgra Foods社のSlim Jim食肉加工工場で、天然ガスを使った給湯器を新しく設置したときに爆発が発生した。このため、アンモニアガス約18,000lbが漏えいした。食肉加工施設の大部分が崩壊し、3名が死亡した。大やけどの4名を含め71名が負傷して病院で治療を受けた。約300名の従業員が解雇された。(2009/10/31:事故調査中) リンク
2009年5月4日 West Carrollton, Ohio州 可燃性ガス 可燃性ガスの漏えい Veolia Environmental Sciences社の工場で可燃性ガスが漏えいして火災・爆発を起こした。作業員2名が重傷を負った。周辺住宅20軒が被害を受けた。(2009/10/31:事故調査中) リンク
2009年1月12日 Woods Cross, Utah州 ライトナフサ 可燃性蒸気雲の漏えい Silver Eagle製油所でフラッシュ火災が発生した。およそ400,0000 Gallon のライトナフサを貯蔵したタンクから可燃性蒸気雲が漏えいして引火を起こした。従業員2名と請負業者の2名が大やけどを負った。(2009/10/31:事故調査中) リンク
2008年8月28日 Institute, West Virginia州 殺虫剤(Methomyl) 暴走反応の発生 Bayer CropScience社の化学工場で殺虫剤(Methomyl)を含んだ残留物処理容器(residue treater)から激しい爆発が発生した。容器が破裂し50feet先まで吹き飛ばされ、プラントの一部を破壊し、従業員 2名が死亡した。鉄道会社の職員、ボランティア消防士を含めて8名が化学物質によるものと思われる体調不良を訴え、病院で治療を受けた。(2009/10/31:事故調査中) リンク
2008年7月29日 Tomahawk, Wisconsin州 可燃性ガス 溶接作業の火花による可燃性ガスの着火 The Packing Corporation of America社の段ボール工場で爆発が発生した。リサイクル品の紙パルプと水の混合物の含まれた高さ24mのタンク上で作業員が溶接作業を行ったときに事故が発生した。作業員3名が死亡し、1名が負傷した。CSBが微生物の検査と化学物質の検査を行い、原因はタンク内の可燃性ガスによることを特定した。(2009/10/31:事故調査中) リンク
2008年6月11日 Houston, Texas州 アンモニアガス 熱交換器内のアンモニアガスの圧力上昇 Goodyear Synthetic Rubber社の工場でメンテナンス作業中、熱交換器の中のアンモニアガス圧力が上昇し破裂した。従業員1名が死亡し、7名が負傷した。(2009/10/31:事故調査中) リンク
2008年1月14日 Texas City, Texas州 - 反応器内の圧力上昇 BPBritish社の石油精製工場で、ウルトラクラッカーユニットの鉄製のフィルタハウジングの上部が突然吹き飛ばされ、従業員1名が死亡した。このユニットの道路の反対側にはISOMユニットがあったが、2005年にここでも事故が発生して15名が死亡し、180名が負傷した。(2009/10/31:事故調査中) リンク
2007年10月29日 Des Moines, Iowa州 酢酸エチル 可燃性溶剤の発火 化学薬品流通センターで火災と数回の爆発が起こった。充填場所に移動式の300ガロンのスチールタンクに可燃性の酢酸エチルを入れた際に火災が発生して爆発を起こした。 リンク
2007年10月2日 Georgetown, Colorado州 可燃性溶剤 引火性の高い溶剤の引火 Xcel Energy社の水力発電所の地下300mのトンネル内で火災が発生した。引火性の高い溶剤を使用してトンネルの内側にエポキシ樹脂をコーティングしていた作業員が地下に閉じこめられ、5名が死亡し、3名が負傷した。(2009/10/31:事故調査中) リンク
2007年7月17日 Valley Center, Kansas州 (可燃性物質) 静電気による火災・爆発 Barton Solvents社における施設で爆発、火災が起こった。周辺の数千人の住民は避難し、工場が大破損を受けた。 リンク
2007年2月16日 Sunray, Texas州 プロパン ガス火災 プロパンガス精製所で火災が起こった。従業員3名が大やけどを負った。精製所は閉鎖された。可燃性の炭化水素物を移送る主要なパイプララックが素早く崩壊したため、アスファルト除去装置からのプロパンが漏れた。この原因で火災が発生して広がった。このラックの支持柱の一部は防火のものでなかった。 リンク
2007年1月30日 Ghent, West Virginia州 プロパン ガス爆発 貯蔵タンクからプロパンガスが蒸発して引火した原因で、コンビニエンスストアとガソリンスタンドに爆発が起こった。プロパンガスを使用したコンビニエンスストアは全焼した。死亡者4名、重傷者5名。 リンク
2006年11月22日 Danvers, Massachusetts州 (可燃性液体) 加熱溶媒に引火し蒸気雲爆発 インキ、塗料製造工場で大爆発が起こった。工場は破壊された。周辺の住宅や建物が被害を受け、修理不可能なものもあった。多数の住民が病院で手当てを受けた。火災時のプラントには従業員がいなかったため、負傷者はなかった。 リンク
2006年10月5日 Apex, North Carolina州 - 酸化物爆発 危険物処理工場で爆発、火災が起こった。住民およそ16,000名が避難した。プール清浄用の塩素錠剤などの化学薬品を貯蔵する廃棄物処理施設のなかの酸化ユニットで火災が発生した。環境影響を避けるため、工場の建物など焼き払った。 リンク
2006年6月14日 Bellwood, Illinois州 - 可燃性溶媒の引火 Universal Form Clamp社の化学薬品混合部屋で爆発、火災が起こった。従業員がタンクの上を開放した中で溶媒を加熱混合した際に、可燃性蒸気が急激に発生して引火し爆発した。 リンク
2006年6月5日 Raleigh, Mississippi州 可燃性蒸気 溶接の火花 石油生産地域で爆発、火災が起こった。請負業者3名は死亡、1名が重傷を負った。この4名が一列4基の石油生産タンクの頂上に立ってタンクに繋いだパイプを溶接した際に、溶接道具の火花によって可燃性蒸気が引火した。 リンク
2006年1月31日 Morganton, North Carolina州 ブチルアクリレート、トルエン、シクロへキサン 異常反応 化学薬品製造工場で大きな爆発が起こった。原因はトルエンとシクロヘキサンを含んだブチルアクリレートの入った1500ガロンの反応槽内で異常反応が発生したと推定された。。 リンク
2006年1月11日 Daytona Beach, Florida州 メタノール トーチの花火 排水処理工場で爆発が起こった。メタノール貯蔵タンクの天蓋を外す際に作業員が用いた切断トーチの火花がタンク内の蒸気に引火して爆発を起こした。タンクに貯蔵したメタノール約3000ガロン全てが漏えいした。 リンク
2005年11月5日 Delaware City, Delaware州 窒素 窒素窒息 請負作業員2名が反応槽の頂上に設けた24インチの開口部の近くでメンテナンス作業中に窒素により窒息した。他の作業員1名も仲間を助けようとしたが窒息した。 リンク
2005年10月6日 Point Comfort, Texas州 プロピレンガス 液化ガス漏れ トレーラを引いていたフォークリフトが可燃性液化プロピレンのラインに衝突したことが原因で、ガスが放出されて爆発を起こした。製造機械は破損を受け、従業員16名が負傷した。近くの学校の生徒らが避難した。 リンク

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