センター長挨拶
本近年、複合災害や長期化する社会的攪乱への対応が常態化する中で、従来のハザード別の対応だけでは社会機能の維持が困難となっています。人口と産業が高度に集積し、多様な社会機能が同時に存在する都市は、都市の集積性や多様性は脆弱性として捉えられ、従来の都市型防災・危機対応では、社会の混乱をいかに抑止するかに重点が置かれてきました。
本学は、人口370万人の日本最大の基礎自治体であり、我が国を代表する港湾・産業集積地である横浜市に立地し、産官学が近接する環境を活かして、社会実装型の研究を推進しています。昭和42年の安全工学科設置、昭和48年の環境科学研究センターの設置に端を発し、平成29年度には都市科学部の設置など、都市科学、安全工学をはじめとする都市災害レジリエンスに関連する学術分野に強みをもち、学際研究の拠点である総合学術高等研究院では、これまで豊穣な社会研究センター、次世代工学システムの安全科学研究ユニットを設置して、都市インフラ、産業安全に関する学際研究を推進してきました。
これらの強みを基盤として、全学的な拠点として発展させるため、都市災害レジリエンス・安全科学研究センター(Center for Urban Disaster Resilience and Safety Science: CURA)を設置しました。本センターは、都市科学、安全工学の基礎分野を中核としつつ、横浜市、川崎市、神奈川県をはじめ、地域のインフラ事業者、および国内外の関係機関と連携し、都市防災の研究開発と実践教育を一体的に推進します。
人口集積、産業集積は、災害に対する脆弱性であると同時に、都市がもつ潜在的なレジリエンスでもあります。本センターでは、人口集積を都市の生活を守る力として再定義し、住民が不必要に逃げなくてはならない状況を減らし、本当に危険なときに正しく行動できる都市をつくること、都市のレジリエンス向上に貢献していきます。
CURAはラテン語でCare (ケア)を意味しており、人口集積をレジリエンスに転換していくための中核概念としての思いを込めました。産官民学の力を結集して都市災害に対応していくためのハブとして機能していきたいと考えておりますので、今後とも皆様の温かいご支援とご協力をよろしくお願いすると共に活動していただける方の参加をお待ちしています。
センター長 澁谷 忠弘